マイナーのダイアトニック・コードとは?/初心者集まれ!指板図くんのギター・コード講座 第31回

指板図くんのギター・コード講座by 編集部 2011年2月22日

今日は、マイナー・キーのダイアトニック・コードがテーマです。悲しい曲、泣ける曲を作りたい方は参考にしてみてください。

さて、本講座でこれまでダイアトニック・コードと呼んできたものは、すべてメジャー(長調)のダイアトニック・コードでした。これに対し、マイナー(短調)のダイアトニック・コードもあります。

マイナーのダイアトニック・コード「お手軽版」

マイナーのダイアトニック・コードには結構ややこしいところがあるのですが、本講座は初心者向けですので、まずはマイナーのダイアトニック・コード「お手軽版」を見ていただきましょう。これです。キーはAマイナーです。

音の鳴る指板図でも示しておきます。♪ボタンをクリックすると音が鳴ります。

この音の鳴る指板図で、AmやAm7を中心としつつ適当にコードを弾いていけば、悲しい感じのコード進行がわりと簡単に出来上がります。またAmやAm7の手前には、なるべくEやE7を入れるようにしてみてください。例も4つ示しておきましょう。

  • Am-E7-Am
  • Am-Dm-E7-Am
  • Am-Dm-Bm7(♭5)-E7-Am
  • Am-G-F-E-Am ※フラメンコっぽいです。

簡単でしょ?

ただこのままではあまりにも説明不足なので、もう少し解説を加えます。

3種のマイナー・スケールに対応した3種のダイアトニック・コード

先ほど譜面で示したマイナーのダイアトニック・コードは、「お手軽版」でした。なぜあれが「お手軽版」なのかというと、マイナーのダイアトニック・コードは実際にはもっとたくさんあるからです。ここがメジャーのダイアトニック・コードと事情が違うところです。

メジャーのダイアトニック・コードがメジャー・スケールの音から出来ていることはすでに説明しました。同じようにマイナーのダイアトニック・コードはマイナー・スケールの音から出来ているのですが、マイナー・スケールにはナチュラル・マイナー・スケールハーモニック・マイナー・スケールメロディック・マイナー・スケールの3つがあり、それぞれに対応したダイアトニック・コードが存在します。

3種のマイナー・スケールはこれです。

3種のマイナー・スケールそれぞれに対応するダイアトニック・コードは次のとおりです。ざっとでよいので見てください。

ちょっとうんざりしますよね? また全部覚える必要もたぶんありません。そんな理由から、先の「お手軽版」では、使用頻度が高く、最初に覚えておくと良さそうなコードだけを選びました。

マイナーのダイアトニック・コード「お手軽版」の覚え方

「お手軽版」はかなり簡単に覚えられます。

まず、Cメジャーのダイアトニック・コードはこれでした。

Cメジャーのダイアトニック・コード
三和音 C Dm Em F G Am Bm(♭5)
四和音 C△7 Dm7 Em7 F△7 G7 Am7 Bm7(♭5)

で、先ほど出てきたAナチュラル・マイナーのダイアトニック・コードはこれです。ざっと見ればわかるとおり、出てくるコードはCメジャーのダイアトニック・コードと同一で、順番が違うだけです。

Aナチュラル・マイナーのダイアトニック・コード
三和音 Am Bm(♭5) C Dm Em F G
四和音 Am7 Bm7(♭5) C△7 Dm7 Em7 F△7 G7

そして「お手軽版」は、Aナチュラル・マイナーのダイアトニック・コードのうち、EmをEに、Em7をE7に変えただけのものとなっています。

Aマイナーのダイアトニック・コード「お手軽版」

三和音 Am Bm(♭5) C Dm E F G
四和音 Am7 Bm7(♭5) C△7 Dm7 E7 F△7 G7

このように、Cメジャーのダイアトニック・コードを把握していれば、Aマイナーのダイアトニック・コード「お手軽版」もすぐ覚えられるわけです。

マイナーのダイアトニック・コードにおけるドミナント・モーション

さて、先の項目を読んで、「Aのナチュラル・マイナーのダイアトニック・コードだけでOKだと思うんだけど、お手軽版はなんでわざわざEやE7にしているの?」と思う方がいらっしゃるかもしれません。

答えを簡単に言うと、EmやEm7の代わりにEやE7を使うことでドミナント・モーションを作ることができるから、です。

次のコード進行を弾き比べてみてください。

【1a】Am-Dm-Em-Am
【1b】Am-Dm-E7-Am

【2a】Am-G-F-Em-Am
【2b】Am-G-F-E7-Am

【1a】と【2a】はナチュラル・マイナーのダイアトニック・コードだけを使ったものです。実際に弾いてみると、たぶんわりとあっさりした感じに聞こえると思います。なぜかというと、Em-Amという進行では、ドミナント・モーションにならないからです。

一方、【1b】と【2b】は、EmだったところをE7に変えています。これらにはより強い進行感があります。なぜかというと、E7-Am(ドミナント-トニック)という進行がドミナント・モーションを形成しているからです。

もっとも、どっちが良いとか優れているとかいう話ではありません。人の好みやメロディ・ラインによって使い分ければよいだけの話なんですが、とりあえず今日示した「お手軽版」は、シンプルでありつつ、ドミナント・モーションも作れるようにコードを選んだもの、と思ってください。

また、ギターが手元にない人は、今のコード進行を音の鳴る指板図で鳴らしてみてください。EmとE7の聞き比べがポイントです。

※音の鳴る指板図はFlashで作られているため、お使いの環境によっては表示されません。ご了承ください。

今日はここまで。最終回まであと2,3回です。

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